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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

いつくしみ深き

(2019年12月1日)

日本で最も有名な賛美歌は、おそらく「いつくしみ深き」(讃美歌312番。英題「What a friend we have in Jesus」)でしょう。私も時々地域の結婚式場で司式を頼まれますが、そこでもこの曲は必ず歌われます。

この曲の作詞者は、アイルランド系カナダ人牧師のジョセフ・スクライヴェン(1819-1886年)です。彼は25歳の時に婚約者を水難事故で失うという悲劇を体験しました。それは結婚式の前日だったそうです。その後、その悲しみを忘れるかのようにカナダに移住し、教師として新しい生活を始めます。そして、生徒の親戚である女性と出会い、ふたりは婚約をしました。ところが、この人もまた結婚直前に結核にかかって亡くなってしまいます。

2度も婚約者を失うという悲しい経験をしたスクライヴェンでしたが、神さまを恨むことなく、かえって神さまに自分の人生をささげる決心をしました。そして牧師となり、生涯にわたって貧しい人々や病気の人々を支え続けました。

2人目の婚約者を失った直後、アイルランドに住む母が病気になったという知らせが彼の元に届きました。自分自身が深い悲しみの中にあったスクライヴェンですが、母を励ますための手紙を送り、その中に書かれていた詩が、「いつくしみ深き」の原案となりました。そういう状況で書かれた詩だということを意識しながら、この賛美歌の歌詞を味わってみましょう。
いつくしみ深き 友なるイエスは
罪とが憂いを とり去りたもう
こころの嘆きを 包まず述べて
などかは下ろさぬ 負える重荷を

いつくしみ深き 友なるイエスは
われらの弱きを 知りて憐れむ
悩みかなしみに 沈めるときも
祈りにこたえて 慰めたもう

いつくしみ深き 友なるイエスは
かわらぬ愛もて 導きたもう
世の友われらを 棄て去るときも
祈りにこたえて 労りたまわん

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