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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

お客様は神さま?

(2020年4月26日)

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、未だにマスクや消毒用品は品薄です。そして、ドラッグストアなどでは店員さんに対して理不尽な怒りや要求をぶつける客が後を絶ちません。家内も先日そういう現場を目撃したそうです。こういうニュースを見聞きすると、感染リスクを物ともせずに業務に励んでおられる店員さんたちへの感謝と申し訳ない気持ち、そして理不尽な客に対する怒りとがない交ぜになった気分が湧き上がってきます。

そして、「お客様は神さまです」という理不尽な客の常套句を思い起こしました。この言葉は、往年の歌手三波春夫さんの名言として知られていますね。ところが、三波さんのオフィシャルサイトには、この言葉の意味が間違って流布されている現状を嘆く文章が掲載されています。

三波さんが言うお客様とは、彼の歌を聴きに来た人たちのことであって、商店や飲食店や乗り物の客のことでも、営業先の人たちのことでもありません。そして、三波さんはあの言葉の真意についておっしゃっています。「私が舞台に立つとき、敬虔な心で神に手を合わせたときと同様に、心を昇華しなければ真実の芸はできない」。すなわち、歌う際についつい頭をよぎる雑念を拭うために、絶対者の前に立っているかのような心持ちで歌っているということです。客は偉いんだから店員は何でも言うことを聞けという意味ではなく。

いつも絶対者の前に立っているかのような心持ちで行動する……。それで思い出した聖書の言葉があります。あるときイエスさまはこんなことをおっしゃいました。「まことに、あなたがたに言います。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、それも最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです」(マタイ25:40)。そこで、マザー・テレサが死に瀕した人たちのことを「私のイエスさまたち」と呼んで、心を込めて看病していたというのは有名な話です。

私たちも、相手がお客さんであっても店員さんであっても、家族であっても隣人であっても、上司であっても部下であっても、イエスさまの前に立ち、イエスさまに接するような心で、行動し言葉を発したいですね。

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