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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

ゲシュタルト崩壊

(2021年3月7日)

最近、ある人が「ゲシュタルト崩壊」という言葉を使っているのを聞きました。ゲシュタルト(gestalt)とは、「全体を、部分の寄せ集めとしてでなく、ひとまとまりとしてとらえた、対象の姿」を表すドイツ語です。たとえば、漢字は様々なパーツが集まってできていますが、全体がまとまってはじめて一つの文字として意味を持ちます。このゲシュタルトが崩壊するというのは、全体のまとまりが分からなくなって、バラバラのパーツしか意識できなくなってしまう現象です。

よく知られているのが文字のゲシュタルト崩壊です。長時間一つの漢字をじーっと見続けていると、そのうちパーツにしか意識が向かなくなり、全体としてどんな字なのかが分からなくなってしまうのです。たとえば「公」(おおやけ)という文字がカタカナの「ハム」にしか見えなくなるとか。しかし、視線をその文字から外してあちこちを見るようにすると、また「公」が認識できるようになります。

聖書は、この世界が神さまによって造られただけでなく、神さまによって支配されていると教えます。私たち人間は時間に縛られ、また限られた認識力しかありませんから、今この世で起こっている様々な出来事が、それぞれ偶然の積み重ねによってバラバラに起こっているとしか感じられないときがあります。しかし、実はそれらは大きなゲシュタルト、すなわち一つの大きなまとまりを持っているのです。それは、創造主の神さまのご計画とご意思によって、あらゆる事が起こり、進んでいくということです。そして、あらゆる出来事は、最終的に神さまの本性である愛と正義を実現します。

あまり一つの出来事に囚われすぎ、そこにばかり意識を向けていると霊的ゲシュタルト崩壊を起こします。そして、神さまの愛と正義を忘れて一喜一憂することになります。いつも、出来事の背後におられる方に意識を向けましょう。

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