ショートエッセイ：中通りコミュニティ・チャーチ

（2021年8月22日）

日常でよく使われる言葉の一つに「ストレス」があります。ストレスとは、精神的な用語として用いられる場合には、外部からの刺激によって生じる心の緊張状態のことを指します。

人間はストレスを受けて心が張り詰めても、休息や気分転換や他の人との交流などにより緊張状態から回復する力を持っています。しかし、ストレスがそうした対処能力を遥に超えた量で押し寄せたり、継続したりした場合、あるいは何らかの原因でストレス回復機能そのものがうまく働かなくなってしまった場合には、心身の調子を崩してしまいます。

じゃあ、ストレスが全くない生活が幸せなのでしょうか。あらゆる仕事から解放され、気温・湿度・明るさなどが最適な部屋で、人間工学に基づいたベッドにずっと寝ていられるというストレスフリーな環境で過ごすと、人は今度は「退屈」というストレスを感じ始めます。ストレスが無いのもストレスなのです。

ストレス、すなわち問題は、うまく乗り越えられたときには達成感を生みます。そして、達成感は私たちに強烈な充実感や幸福感をもたらします。適度なストレスは、むしろ人間に必要不可欠なものです。

イエスさまはおっしゃいました。「これらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を得るためです。世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました」（ヨハネ16:33）。イエスさまは、私たちがクリスチャンになったからといって、問題の無いバラ色の人生を与えるとは約束していません。しかし、勝利者であるイエスさまが、私たちにも問題に打ち勝つ力を分け与えてくださり、達成感、充実感、幸福感を味わうことができるようにしてくださいます。