本文へスキップ

ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

着々と備えられて

(2021年10月24日)

日本の「いのちの電話」は、イギリス国教会の司祭であるチャド・バラー先生が始めた電話相談事業「サマリタンズ」が元になっています。当時のロンドンの自殺率の高さに心を痛めたチャド先生は、対面ではなく電話で相談できる働きがあれば、もっと多くの人が死ぬ前に悩みを吐き出し、それで自殺を思い留めるようにできるのではないかと考えました。

日々の祈りの中で、自分がその働きをするよう神さまが願っておられると感じたチャド先生ですが、それでも神さまにこう反論しました。「でも、私が働いている教会は大変忙しいのです。もっと人数が少ない、そうですね、金融街で住んでいる人が少ないシティあたりの司祭が行なえばいいんじゃないでしょうか」。すると、チャド先生は間もなくシティにある教会に転任になったそうです。

やっぱり私がやるというのが神さまのご計画なのかと受け取ったチャド先生は、新しく赴任した教会の役員に相談すると、全員「それはいいですね。ぜひやりましょう」と答えました。そして、事務室に電話機があったはずだから、それを使えばいいと言いました。

チャド先生は、電話相談で使う電話番号の候補をすでに決めていました。回線の種類によって上3桁はMANが付くことは確実なのですが、下4桁を9000にしたいと考えたのです。イギリスの人たちにとってその数字は、警察や消防などをイメージする、緊急性の高さを感じさせる数字だからだとのこと。

しかし、電話会社に電話をして問い合わせると、そんないい番号はすでに使われている可能性が高く、どうしても使いたい場合には今の使用者と交渉して、かなりの額のお金を支払う必要があるだろうという話でした。

そして、「ちなみに、今使っている番号は何番ですか?」と電話会社の担当者が尋ねるので、チャド先生は知らないと答えました。「電話機のダイヤルの真ん中に書いてあるはずですよ」と担当者が言うので、ほこりをかぶって見えにくくなっているダイヤルを手で拭いました。すると……

「あ」。なんと、そこには「MAN9000」と書かれていました。

国や民族を滅亡の危機から救うとか、人の命を左右するというような大きな働きでなかったとしても、神さまはあなたの人生にも計画をお持ちで、あなたならではの使命を用意してくださっています。そして、あなたがその小さな奉仕を忠実に行なうとき、神さまは様々なことを働かせて益にしてくださいます。

連絡先

〒962-0001
福島県須賀川市森宿辰根沢74-5

TEL 090-6689-6452
E-Mail info@nakakomi.com