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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

見たこともない美しい絵

(2022年1月23日)

1940〜50年代のアメリカで、「抽象表現主義」という美術表現が流行しました。具体物を描くのではなく、色や流れる筆遣いによって感情そのものをキャンバスに描き出すのが特徴です(こちらでその例を見ることができます)。

ある抽象表現主義の画家が帰宅すると、見たことのない絵が居間に飾られていました。その荒々しくも美しい感情表現に、彼はすっかり魅了されました。妻にこの絵はどうしたのかと尋ねると、彼女は不思議そうに言いました。「いつもここに掛けてあったあなたが描いた絵ですよ? 掃除をしたときにちょっと外して、また掛け直しただけですけど」。

なんと妻が間違えて上下逆に掛けてしまっただけでした。しかし、画家はこの上下逆の絵がすっかり気に入り、その後もずっと上下逆のまま飾り続けたそうです。

私たちには私たちなりの常識や感覚があります。「これが人生において正解」「こうなることが幸せ」というような。そして、それが実現されないと悲しくなったり、イライラしたり、絶望しそうになったりします。

しかし、神さまは別の見方をしていらっしゃるかもしれません。試しに人生の絵を逆さまにして見て、不幸だと思っていたことについて「これは神さまがくださった幸せ」とつぶやいてみましょう。

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