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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

人の成長に役立つことば

(2023年5月14日)

1970年から20年に渡りNHKの教育番組「できるかな」で、一切しゃべらない工作のお兄さんとして活躍なさった「ノッポさん」こと高見映さんが、昨年9月に亡くなっていたとの報道が先週なされました。発表が今になったのは、訃報は死後半年以上経ってからとの本人の希望に添ってのことです。子どもの頃、「できるかな」はよく観ていたので、私もショックを受けています。

意外なことにノッポさんは非常に不器用で、実は工作が大の苦手だったそうです。紙を筒状に丸めることさえうまくできなかったとか。そのため、番組ではスタッフが作品をあらかた作っておいて、最後にセロファンテープを貼るところだけノッポさんがやるようにしていたそうです。

それでもテープをうまく貼れずに失敗したり、作品や道具を床にぶちまけたりしてしまうこともありましたが、失敗も笑いに変えたり新しい作品に作り直したりしました。そして、一生懸命に取り組む姿勢が子どもたちの励みとなり、結果として大変な人気番組になりました。

両親もお兄さん・お姉さんも非常に器用なのに、家族で一人だけ不器用なノッポさんについて、いつもお父さんは言っていたそうです。「たまたま運の悪い所にいるだけでこの子がダメなわけではない」「君はできる子だ」。苦手なことを、それでも一生懸命取り組むスピリットは、お父さんから受け継いだようです。

キリスト教は言葉を大切にします。私たちが普段何気なく使っている言葉は、他の人を励まし、希望を与え、成長させているでしょうか。「悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。むしろ、必要なときに、人の成長に役立つことばを語り、聞く人に恵みを与えなさい」(エペソ4:29)。

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